お灸の歴史と由来
このページの要点
- お灸は、もぐさ(ヨモギの葉から作る)でツボを温める、古くから伝わる方法です。
- お灸の歴史と由来、期待されていること、安全に使うための注意点をまとめています。
お灸は、もぐさをツボの上で燃やし、その熱で体を温める方法です。古代の中国で生まれ、日本にも長く伝わってきました。
中国で生まれ、日本へ
お灸のはじまりは、はっきりとはわかっていません。中国の馬王堆(まおうたい)漢墓(紀元前168年ごろ)から見つかった医学の書物には、すでにお灸のことが書かれています。古い医学書として知られる『黄帝内経(こうていだいけい)』にも、お灸が出てきます。
日本には、6世紀ごろに中国から伝わったとされます。平安時代の984年には、丹波康頼(たんばのやすより)が『医心方(いしんほう)』をまとめました。今に残る日本でいちばん古い医学書で、鍼やお灸のことも書かれています。
江戸時代には、暮らしの中に
江戸時代になると、お灸は庶民の暮らしにも広まりました。松尾芭蕉は『おくのほそ道』の旅立ちの場面で、「三里に灸すうるより」と書いています。旅の前に、ひざ下の足三里にお灸をしていたのです。
今のお灸
明治時代になると、医療の中心は西洋医学になりました。それでもお灸は残り、今は「きゅう師」という国家資格もあります。家庭では、台座灸や火を使わないお灸など、手軽に使えるものが増えています。
もぐさと、ツボの考え方
もぐさは、ヨモギの葉を乾燥させ、葉の裏の細かい綿毛を集めたものです。火をつけるとゆっくり燃え、やわらかい熱が伝わります。東洋医学では、体には「気」や「血」の通り道(経絡)があり、その上にあるツボを温めることで、体のバランスに働きかけると考えられています。もぐさを肌に直接のせる「直接灸」や、生姜やにんにくなどをはさむ「間接灸」など、やり方もいろいろあります。
お灸に期待されていること
お灸は、次のような目的で昔から親しまれてきました。感じ方には個人差があります。
- 体を温めて、血行を促すこと
- こわばりが気になる部分のケア
- 肩や腰のだるさが気になるときのケア
- 心地よい温かさによるリラックス
- 生活リズムを整えるセルフケアの習慣づくり
安全にお灸を楽しむために
家でも手軽にできますが、やけどには気をつけてください。熱いと感じたらすぐに外し、使い終わったら火が消えたことを確かめます。持病のある方や妊娠中の方は、使う前に医師に相談してください(詳しくは免責事項)。
お灸の楽しみ方
もぐさの香りと、じんわりした温かさがお灸のいいところです。お風呂上がりなど、落ち着ける時間に試してみてください。